東京のレンタルボックスについてのご意見
銀座の回遊性は、時代とともに大きく変化している。
もともとは、新橋駅から中央通りへと人が流れた。
エリアに来場した顧客を回遊させ、ショッピング、飲食、交流を通じて満足を提供するが、顧客の満足を得られないと、顧客は他のエリアへ、その目的を果たしに流出する。
顧客から多くの利益を上げるためには、回遊性の滞留時間をより長くさせる必要がある。
お昼にそのエリアの来た客が、時間を忘れ、夜の食事までそのエリアでお金を落とせば、非常に収益の高いエリアとなる。
そのためには、やたらと商品、宣伝広告、施設店舗を過度に集積させ顧客を疲労させるのではなく、ゆとりを持ち、顧客を疲れさせないエンターテイメント性があって、疲れてもすぐに休息がとれるように、フリーのユーティリティー(多目的)スペース等が必要である。
ロニエ通りから中央通りへと人が流れている。
しかも、それぞれの回遊性で違った購買層を持っている。
これらの通りをそれぞれサブブランドとして持ち、ポートフォリオを組むことになる。
原宿においても、神宮前交差点から南青山四丁目までは、やはり1キロ超である。
また表参道にも「裏原」と呼ばれるサブブランドがある。
これらは単なる単体のブランドではなく、サブブランドを持つブランド・ポートフォリオを構築している。
他に例を挙げれば、博多には天神エリアに大名エリア等が隣接し、名古屋の栄エリアでも大津通りに並行して久屋大通りがあり、エリアブランドを構成している。
そして妥当な回遊性の規模が、おおよそこの距離、所要時間である。
徹底的にスペースのレンタブル比を上げて収益を上げると、逆に顧客に窮屈感を与えることになり、すぐに他のエリアへ流出してしまう。
最近では多くの百貨店においても、回遊性の滞留時間拡大戦略を採用している。
最も収益が上がる売り場の中心にユーティリティースペースを設け、椅子を置き、時には自販機を設置し休息を与えながら、顧客の滞留時間の延長を勝ち取る。
それが顧客1人当たりの売上単価増エリアに必要な同質性エリア間競争では、他のエリアと差別化されなくてはならない。
丸の内と品川、銀座と原宿、あるいは大阪と京都等、エリア間競争のためには、当然、差別化が必要となる。
ブランドエリアには、それぞれの上位イメージというものがある。
銀座のブランドイメージで説明したように、このイメージを形成するのは、人、伝統、遺伝子、ビジネススタイルである。
このような要素の同質性が一つのエリアのアイデンティティ(個性、存在)を作り上げ、イメージを醸し出す。
通常、このイメージは街並み、景観、人、生活スタイル等を通じて認知される。
市場が一つのエリアを形成して、上位イメージを持ちながらある程度の規模に成長するためには、有効な「同質性」が必要になる。
飲食が可能で、客に窮屈感を与えず、清潔かつ安全・安心感をもたらすものでなくてはならない。
銀座、丸の内等、代表的な都心部では、地区協定による建築制限が協議会で作られるケースが多い。
質の高い利益を追求する共通目的の中で、当然必要となる取り決めである。
これは、大都市の都心部だけでない。
これはすべて、景観を作り、エリアのアイデンティティを大事にする考え方に基づいている。
2003年に景観法が制定された。
関連する「景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」及び「都市緑地保全法の一部を改正する法律」と合わせて「景観緑三法」と呼ばれて銀座、原宿、丸の内といった優れたエリアには、それらのエリアをイメージさせる「景観」がある。
銀座の代表的な街路樹「柳」とビルの軒の高さ、原宿の街路樹「ケヤキ」と街並み、オフィスビル街の丸の内でも旧丸ビルに象徴された概観があった。
現在、丸の内で進行しているビルの建替えでも、旧丸ビルの景観を下層部分に持たせた上で、その上に高層ビルを乗せている。
しかも高さ制限を設け、凸凹ではなく、統一した街並みを目指している。
分かりやすいのが、京都の独特の町並みが市場原理の名の下、マンション等の高層建築物によって破壊されてしまう例である。
伝統、遺伝子をイメージさせる源となる同質性が失われていく問題である。
市場の成長には、ダイナミズム(力強い変革・創造の力)が必要である。
市場のダイナミズムは、多様性によってもたらされる。
この多様性は、エリアの同質性と対時するのではなく、バランスよく共生しなくてはならない。
エリアの街並み、同質性を壊すものに、過度の「エリア内競争」がある。
エリア内競争は、エリアが確立する過程において、その内部で生じる。
銀座の一丁目から八丁目間、あるいは表参道にはいろいろなコンセプトのエリア内競争が存在している。
表参道の真ん中に、いきなり高層ビルができたらどうなるのか。
高層ビルもやはり一つのエリアと同じように、マーケティングの戦略をとり、そのビル内で回遊性を持たせ、同じエリア内といえども排他的な顧客の囲い込みを目指す。
ビル施設内だけで回遊性を完結させ、他に対して排他的戦略をとろうとする。
最近のエリア開発では、エリアの中心となる核が高層の大型商業施設であるケースが多い。
その施設の回遊性とエリアの回遊性が相乗効果を持ちながら、エリア全体を形成していく。
マンションが出現し、景観が壊されていく問題が頻繁に発生している。
景観緑三法の目的は、明らかに行き過ぎた市場経済の利益追求に対して、規制を設けるものである。
ただし、やみくもに伝統や古き良き街並みを規制で保存するだけでは、エリアの成長は期待できない。
言うまでもなく、古い伝統は常に革新をしたからこそ、今も生き続けているはずである。
老舗の原動力は革新である。
このように、それぞれの回遊性がポートフォリオとして構築され、エリアがマネジメントされていればよいが、自分の利益だけを追求し、高層ビル等の回遊性をそのエリア内で排他的に独立させると、エリア全体の回遊性が乱され、安定しない。
例えば銀座では、景観を乱す異質の高層ビル計画に対して、拒否運動を行ってきた。
原宿では、建築のテクニックによって、高層ではなく、街並みの概観こそ維持したが、実質的に高層と同じコンセプトを持つ異質の回遊性を持つ商業施設の登場を認めた。
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